リーグ・オブ・アイルランドにEU各国の有望株が集結するかもしれない件
先日、ノースエンドはコーク・シティに€500000を支払い、ショーン・マグワイアとアラン・ブラウンの売却条項を取り消しました。更に、今後は提携先となること、買収に発展する可能性が取り沙汰されています。
€500000なら、この2人の移籍金によって、逆にプラスと転じる可能性は十分あります。コークは深刻な財政難に陥っており、この€500000がなければ、相当危なかったとの報道もあります。
元々ノースエンドはアイルランドのクラブとの関係を近年強めていました。17年冬のダリル・ホーガン、アンディ・ボイルに始まり、ショーン・マグワイア等、ここ3年で5人ものトップチーム選手をアイルランドから獲得しています。トップチームに留まらず、アダム・オライリー、ジミー・コルコラン、ブライアン・マクマナスといったユース年代の選手も獲得しています。コークとは毎年プレシーズンマッチが行われ、友好関係を築いてきました。
ではそもそも何故こんな話が急に出てきたのか。そこにはイギリスのEU離脱が関係してきます。
今までであれば、イギリスのクラブは、FIFAのルールに則り、EUパスポートを持っているならば16歳以上の選手を獲得できました。しかし、今後はEU離脱により、18歳以上でないと獲得できなくなる可能性が出てきます。そこでどうしようか。そう、EU加盟国であるアイルランドのクラブを利用するのです。
例えば16歳のオランダ人選手を、あるプレミアリーグのクラブが欲しがっていたとしましょう。当然ながら、直接獲得することはできません。そこで、オーナーが同時に所有しているアイルランドのクラブがその選手を獲得します。そして、18歳になった時に、そのプレミアリーグのクラブが獲得します。こうして、18歳未満の選手でも実質的に手元に置くことができるようになるのです。
アイルランドに目を向けているクラブは、ノースエンドだけではないでしょう。今後、アイルランドリーグにEU各国の有望な若手選手が集結し、注目されるリーグとなるかもしれません。当のアイルランドのクラブはプライドを踏みにじられるような気がして、辛いですが…